今日発表された、7ー9月のGDP成長率の速報値は年率換算でマイナス1.6パーセント。市場を揺るがせました。
相当低い成長率であろうというのが大方の見込みでした。しかし2四半期連続でのマイナス成長というのは想像を超えるものでした。
アベノミクスはうまくいっているという安倍総理の主張は根拠を失っています。
今回のマイナス成長結果は、ひとつには今夏の天候不順による消費の低迷なども要因になっていると思いますが、私は、物価上昇に賃金が追いついていない、すなわち実質賃金がずっと低下し続けていることが主要因だと思っています。
実質的な賃金が下がり続けていて消費が上向くわけはありません。そんな中で金融緩和一本槍で物価を引き上げることに血道をあげるアベノミクスは、正しい解決策ではないのです。そのような金融緩和は、財政赤字を中央銀行が肩代わりし、また株価等の資産価格においてはバブル的傾向を作ってしまうなど、弊害があまりにも大き過ぎます。
その結果、経済的格差は広がり、これも消費の広がりにはマイナス要素です。
このような経済格差をもたらすアベノミクスではなく、逆に、低中所得者層も含めて安定的な所得が確保されるような、格差を是正するような政策に、今シフトすることが重要です。