安倍総理は今日の参議院予算委員会において、アベノミクスはいわゆる「トリクルダウン」を期待してのものではないと答弁しました。
トリクルダウン、とは、経済政策の中で、規制緩和などを通じて、成功している企業などがより自由な活動の中でより大きく成功できるようにすることで、そこから「しずくが滴る」ように、地方や、より経済力の弱い主体にまで経済的恩恵が広がるであろうという考え方です。
安倍総理は、このような考え方ではないと否定しましたが、今のアベノミクスにおける、労働制度改革、農業制度改革を含む規制・制度改革あるいは税制改革などを見ていると、それはトリクルダウンを前提としての政策としか思えません。
私はむしろ、安倍総理としては、自分が目指すのはトリクルダウンによって経済が成長していく姿だと、はっきり述べた方が、経済政策の議論として深まってよかったのではないかと思います。これを無理に否定すると、ではそれはどういう考えに基づく政策なのかがクリアに説明できず、議論が深まらないのではないかと懸念するわけです。
今後の予算委員会などでも、この点、すなわち「ではどのようなメカニズムで広く経済成長が及ぶことを想定するのか」ということを掘り下げて問うていかなければならないと感じました。