日銀の金融政策決定会合で、目標とされている2%の物価上昇達成時期を、16年度前半と先送りする決定がなされました。
2%の物価上昇目標の達成については、2年前、黒田総裁は「2年で」と言い切り、その後「15年度を中心とする期間」などと、少しずつ先送りされてきました。それが今回は16年度前半となったわけです。
この金融政策のあり方に対して、私は国家の中央銀行たる日本銀行の信認が低下するリスクをはらむのではないかと危惧しています。
通貨価値の安定というのは、管理通貨制度のもとでの中央銀行の絶対の使命。それがこんなに、日銀の目標設定とその実現がズレてくると、はたして通貨に関して日銀は適切にコントロールする能力を持っているのかとの疑義を惹起しかねません。
それは国としてあってはならないことです。しかしそのリスクは高まっていると言わざるを得ません。