間も無く国会では日本銀行の総裁人事について、同意を与えるか否かの議論を行うことになります。政府から提案されているのは、黒田総裁の再任案。
黒田総裁による異次元緩和の金融緩和とともに、アベノミクスは5年の月日を重ねてきました。その異次元の金融緩和のもと、結局2パーセントの物価上昇という目標は達成されることなく、また近い将来に達成されるということを信じる向きはありません。
一方で、金融緩和政策の結果、日銀による国債の買い入れは空前の規模に至り今や日銀が全国債発行残高の4割を保有する現状、加えて年間6兆円にのぼる日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れの結果、日銀は今や20兆円以上ものETFを購入するということになっています。
財政の規律なんてことは一体どこにいったのかという状況であり、また株式市場も歪められました。
この金融緩和政策はいつかは出口を迎えなければなりません。しかし、あまりにその歪みが大きいが故に、どうしたら穏便に「出口政策」を実行できるか、自信をもって語れる人物はこの世にはいないのではないかと思います。黒田総裁自身ですらできないのではないかと。
「安倍総理が残した時限爆弾」 こう称してもいいくらいの歪みを経済に植えつけた安倍総理と黒田総裁による5年間にわたる金融緩和政策。これを転換していくべし、というメッセージを国会として送っていく時が来ていると思います。