厚生労働省が、「毎月勤労統計」の集計方法に不適切な点があったと認めた件について、これをもとに国民に支給される、雇用保険や労災保険の過少支給が、数百億円規模であったと。
さらには、これを適正支給するために、政府は、12月末に策定した来年度予算案を、組み替えて国会に提出することを考えているという報道もありました。
政府が一度閣議決定した予算案を、国会提出の前にあえて組み替えて提出するなど、前代未聞のことです。
「働く」という極めて重要な国民生活の側面に関する基本的な統計が、厚生労働省によって大変ずさんなやり方でまとめらていたということ自体、私にとっては大きな衝撃でした。
それに、雇用に関する統計は、安倍総理が「アベノミクスはうまくいっている!」と、滔々と国会で「独演」する際に根拠として真っ先に言及するもの。その統計自体がいい加減に作られていたということであれば、アベノミクスの土台が崩れます。
加えて、予算の組み替えまで至るとは。
厚労省においては、働き方改革法案においても統計の「捏造」と言ってもいいような問題が露見しました。外国人労働者法案では、法務省においても、事実を歪曲しているとしか言えないような、統計操作がありました。
今の政府自体、何かおかしなことになっているのではないかという、強い不信感が拭えません。おそらく、これから始まる国会でも大きな問題になると思います。