国家安全保障戦略など、いわゆる安保三文書の改訂の議論が政府与党において進んでいます。
これを受けた防衛費の増額については、今後5年間で40兆円を超える額になるのではないかという見方もあり、これまでの5年間と比較すると1.5倍になるとの見通しもあります。
ただその財源については、どうも曖昧な感じです。
上記のような大きな増額を行うのであれば、それを安定的に支える財源を示すべきです。しかしこの点については、曖昧な決着になるのではないか、結果として借金、将来へのつけ回しでまかなうことになるのではないかとの懸念があります。
現在の厳しい安全保障環境を考えると、我が国の防衛体制を強化していくことの必要性は認めます。しかしそのあり方は、あくまでも何とかの叩き売りのような「総額ありき」の議論ではなく、必要な防衛装備等の積み上げで検討されるべきです。
その上で、それを国としてどう財源措置していくのか、その点も含めて国民の皆さんにどうあるべきかを判断してもらうべきです。
借金でまかなうという選択肢は最悪です。過去の歴史における我が国の過ちを繰り返すものです。
戦前に日本が借金で戦費をまかない、その後深刻なインフレに襲われた経験に対して、自民党の萩生田政調会長は「いつの話をしているのか」と述べましたが、時が移っても問題の本質は同じです。それを理解しない人物が与党の政調会長というのが大きな問題です。