リーマン・ブラザーズ証券の破綻で危機的状況に陥っている米国の金融界。昨日は、急速な株価下落を伴う破綻懸念が高まっていた世界最大の保険会社AIGに対して、米国の中央銀行が9兆円もの緊急資金融資を行って、救済することになりました。
リーマン・ブラザーズの場合には政府による救済を固辞した結果、リーマンは破綻。そしてその後、危機の増幅の度合いがあまりに大きいために、AIGに対しては一転政府による救済となりました。
米国当局の対応が大きく揺れていることは一目瞭然です。
AIGは保険会社です。ですから資産は基本的には保険加入者からの掛金。その運用には、ある程度の高利運用は求められていたとしても、報道にあるような、極めてリスクの高い金融商品に突っ込んで投資することが適当であったとは到底思われません。
先のブログで、米国の銀行監督の甘さを指摘しましたが、保険業の監督においても同様の甘さがあったことは明らかだと思います。
しかも、このAIGグループ。金融グループとしては政治力が強いことでも有名。日本の金融市場の自由化についても、「これがお手本、世界標準(グローバル・スタンダード)なんだ」と言わんばかりの強い態度で、長年にわたって求め続けてきました。もちろん、郵政民営化についても、これを強く求めてきていました。
以前にも書きましたが、いわゆる「グローバル・スタンダード」なるものがいかに怪しいものか、今回の米国金融の漂流は物語っているように思えます。
コメント
コメント一覧 (1件)
難しいことがたくさん載っていると思いましたが、
実は勉強になっています。
知らないことがたくさんです。
今後も訪問させていただきます。
よろしくお願いいたします。