定額給付金の支給の際、高額所得者をどう取り扱うかという点で、麻生内閣は迷走しました。これによって、麻生総理が、かならずしも明確な見通しをもって現下の政権運営に当たっているわけではないことの一端が示されたと思います。
明確な政権運営の見通しを持っていないことは、私はこのことに尽きてはいないと思っています。例えば、今後の補正予算、通常予算の編成スケジュール、そしてこれを国会でどう通していくかという、これからの国政の最重要課題においても、私は麻生内閣は明確な見通し、戦略を持っていないと見ています。
おそらく、その時その時の状況で場当たり的に進めていくことなるはず。予算を作るという仕事は、通常の年でも政権の基盤を揺るがしかねないリスクを伴う難しい仕事。そしてそれに今年の場合には、道路特定財源の一般財源化や基礎年金の国庫負担率引き上げという課題や、さらには補正予算という宿題まで加わっています。相当な戦略、見通しをもってしてのみ対応できる仕事であって、場当たりで通せるものではありません。
私は明確な戦略は描けていないと見ています。海図なき航海です。だとすれば、仮に11月30日で臨時国会を閉じたとしても、来年初めからスタートする通常国会も相当迷走し、波高いものになる可能性があります。
その時に政界に何が起こるか。緊張感を緩められない所以です。
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