中川前財務・金融大臣の辞任後を受けるのは、与謝野経済・財政担当大臣の兼務ということです。
これで与謝野氏には、財務大臣、金融担当大臣、経済・財政担当大臣という三つの職責が負わされてくるわけですが、この一人三役は可能でしょうか。
確かに与謝野氏は、自民党内きっての政策通であり、これらの分野には精通しているので、他の人よりはよく対応できると思います。また、この三役を兼任することのシナジー効果もあると思います。特に財務省は予算を検討するときに、マクロ経済分析的視点をあまりもたない(!)ので、経済・財政担当大臣たる役割を兼務することで、これを補えます(ただし、内閣府経済・財政担当部門(元の経済企画庁)自体も財政をマクロ経済政策的観点からそんなにキチンと分析できる能力を持っているかというと、これは実は心もとないものがあります)。しかし三役兼任は「物理的に」可能だろうか。
事務方から大臣に相談したいという案件は日々たくさんあります。財務省での勤務時を思い出すと、財務大臣の日程は各局の奪い合いでした。さらに、今は金融非常時。このような、銀行、証券、保険と幅広く危機的状況が訪れる中で、金融庁は突発イベントへの対応を迫られることが多く、いったん危機的状況になると金融担当大臣の仕事のハードさは尋常ではありません。経済・財政担当大臣も、来年度の経済対策を作るなんて声がちらほら出ている中であり、相当な仕事量になるでしょう。
また国会もしかり。財務大臣、金融大臣の問題が議論されるのは、財務金融委員会。一方経済・財政担当大臣の所管が議論されるのは基本的には内閣委員会です。そうなると、大臣の体の空き具合で国会日程も制約を受けます。
そういうわけで、「物理的に」可能なのかという気がします。結果として仕事の質の低下につながらないか、不安を抱えたスタートです。
コメント
コメント一覧 (2件)
小沢一郎氏はいつも言ってるじゃないですか
「やってみないとわからない」
そういうことです。
得意の経済分野ですよ。大串議員が自民党に行って、助けてあげて下さい。
皮肉じゃありません。私は本当にそれを願っています。