衆議院予算委員会で、安倍総理に対して、TPP問題を取り上げ質疑に立ちました。「政治は結果だ」安倍総理はよく口にします。そうであれば「聖域なき関税撤廃ではないと、オバマ大統領との直接会談で確信した」と総理自身が言うけれども、農業者においては「十分納得できない」という声が全国から上がっていることに対する結果責任を総理は重く負います。
もうひとつ指摘したのは、先週金曜日に安倍総理は交渉参加表明したわけですが、その際、米国との 事前協議事項となっている自動車などの分野ついては、引き続き協議、という形のまま交渉参加を表明しました。これは大問題です。なぜなら、自動車などの事前協議において、いざとなればTPP交渉参加をしないという覚悟は、米国に付け込ませない重要な交渉カードだからです。米国は事前協議において自動車問題などで日本に譲歩を迫ろうと色々言ってきます。それに対して「それなら交渉参加しない」と言えることは、交渉の駆け引き上極めて重要。これは私が担当政務官として身にしみて感じたことです。しかし、安倍総理は事前協議がまだまとまらないうちから早々と交渉参加意図を表明しました。おそらくこれから米国は「早く正式に交渉参加したかったらこれを譲歩しろ」と言ってくるでしょう。これに対する対抗策を日本はもう持ちません。それどころか安倍総理は最後に「交渉参加するかしないかは交渉カードにはならないんだ」と答弁しました。これには私は大変驚きました。自分の持っていた交渉カードの価値を理解しないで、今後どうやって強力な交渉ができるのでしょうか。国会での監視がより重要になります。