TPP交渉について、自民党の責任者たる西川公也衆議院議員が、いわゆる重要5品目の関税撤廃も検討すると発言したとの報道が伝えられ、その真意はどこにあるのかとのとまどいの声が農業関係者から上がっています。
自民党ではこの重要5品目を守り抜くということを選挙公約でも言ってきました。衆参農林水産委員会の決議でもその旨が確認されています。
私が特にあれっと思ったのが、なぜこの時期のこの発言かということ。年内妥結を目指すTPP交渉の中でも、関税分野の議論は合意が難しく遅れていました。さらにオバマ大統領のバリ会合不参加で年内合意への勢いが疑問視され始めていました。
そんな中でなぜ日本側から、譲歩のカードを切るようなことをあえて言わなければならないのか。向こうの交渉相手は、「日本の農水関係者はここまで譲歩しているんだ」と、足元を見てくるでしょう。タイミングとしても極めて不可思議です。