安全保障法制撤回の訴えをする中で、同時に、民主党として「何でも反対」という立場から審議に臨んでいるのではなく、我が党としてもしっかりとした対案を示しながら、その考えとは相容れない今回の安倍政権の安保法案に反対している、ということも明確に伝えていかなければならないと思います。
私たちは、さかのぼると昨年の冬にまずは憲法解釈変更の是非に関する議論から始めて、長い党内議論を経て、今年の4月28日に民主党としての安全保障政策を取りまとめました。
その中で、安倍政権が主導している憲法解釈変更による集団的自衛権行使については、それを必要とする根拠も明確でなく、また立憲主義に反するものとして反対の立場を明確にしました。
その上で、「近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」という考え方のもと、例えば、おそらく国民の皆さんが不安を感じていらっしゃるであろう、尖閣問題や南シナ海問題などを踏まえつつ、いわゆる「グレーゾーン」の事態に対して日本の領海域における守りをしっかり固めるという立場から、「領域警備法案」を取りまとめ、今国会にも対案として提出し、私も質疑の中で答弁に立ちました。(ちなみに政府は、このいわゆるグレーゾーン対策としては、新しく法律を作るのではなく、現行の仕組みの運用改善のみにとどまっています)
日本周辺だけでも、私たちが心配になるような事例が多数生じています。まずはこの周辺に対する守りをしっかり固めることが、私たちの第一の課題ではないかという考え方にもとづくものであり、それを超えていきなりインド洋だ、ホルムズ海峡だと言うのは現実的ではないと思います。
もちろん、日本が得意とする人道的支援等を中心とした国際的な枠組みの中での平和構築協力は、積極的に行っていく考えです。
こういった我が党の考え方もしっかりと伝えながら論陣を張っていく。そんな参議院での審議になればと思います。