TPPの国内経済に与える影響試算が今日発表されました。
これまでの政府の試算では、約3.2兆円経済が伸びる、という見通しでしたが、今回の試算は何と14兆円弱も伸びるというものでした。
しかし、これには極めて根拠の薄い前提があります。
ひとつには、今回の試算において、農業生産面のマイナス影響はない、という信じられないような前提に立っていることです。その大きな理由は、それぞれの農産品に「適切な国内対策をとる」ということですが、一体それが各産品ごとに具体的にどのような対策なのか、その財源はどうするのか、全く明らかではありません。気合だけで「大丈夫だ」と言っているようなもの。
もうひとつには、TPPで経済が伸びる要因として、輸出入が増える → 生産性が上がる、生産性が上がる → 働く人が増える、という考え方を盛り込んでいることです。このような理屈を新たに盛り込んで、成長率を「かさ上げ」しているようなもので、その実効性ははなはだ疑問です。
マイナス面を隠し、プラス面を過度に膨らしている。そんなまやかしの試算。これから国会で真剣な審議をしようという時に、このような試算が堂々と出されてくること自体驚きです。