政府は今日、総額114兆円を超える規模の来年度予算案を閣議決定しました。
防衛費の増加を背景に一気に114億円超へと跳ね上がった予算の規模。
我が国周辺をめぐる安全保障環境の変化を受けて、防衛能力を強化していくことを必要性は理解します。しかし、その防衛費増の内容について国民に対して丁寧な説明のないままの、「数字ありき」での増額のあり方には懸念を抱かざるを得ません。
我が国の存立を守り抜くことが安全保障の本旨です。もちろん防衛力による「守り」が重要であることは言うまでもありません。しかし一方で、財政が国家を永続的に支えられるという態勢を確保し続けることも、国の存立を守る上で必須であることは間違いありません。
その点、財政の健全化に関する岸田政権の取り組みには首をかしげざるを得ません。
例えば防衛費に関して、艦船の建造費に建設国債をあてられるように方針変更をしたことなどは、これまでの政府の説明に照らしてどう整合的な説明をするのでしょうか。
これまで政府は、艦船などは消耗的な性質を有するので建設国債にはなじまないと国会答弁でも述べてきました。有事において攻撃の対象となる艦船であることから「消耗的」と判断していたわけです。
それが今、何がどのような前提条件が変わって、「消耗的」ではなくなったのか。戦火の中で、艦船は攻撃を受けることはないという判断なのか。この問いに対して、政府はきちんと説明できるのか。
来年1月からの国会で、議論するべき内容が満載の、問題の多い予算案と言わざるを得ません。