南スーダンPKO日報破棄問題について、今日、防衛省による特別防衛監察の結果が発表されました。その内容は、事実を明らかにするために特別防衛監察でありながら、全体としては 逆に事実を隠蔽するためのものになっていると言わざるを得ません。
焦点となった、稲田防衛大臣が、2月半ばの段階で陸上自衛隊に日報のデータが残っていたことを実は報告を受け、知っていたのではないか、すなわち稲田氏は日報の隠蔽に関与しつつ、「 報告を受けていない」と虚偽答弁をしていたのではないかという問題については、「書面での報告や了承を求めるという報告を行った事実はなかった」としつつも、「陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」という、極めて曖昧模糊とした内容でした
その上で稲田防衛大臣は辞任を表明。つまり、これをもって一切何も語らず幕引きしようというものです。来週には衆参の国会の委員会でこの問題を集中的に取り扱う閉会中審査を行うべしと私たちは求めています。それに対してその前に稲田氏が辞めることで、国会での議論をさせないためのもの。この安倍政権の隠蔽体質は、一体どこまで反省もなく続くのか。
稲田氏のみならず、安倍総理の責任も極めて重要です。稲田氏は今日の記者会見で、安倍総理に対してかねてより辞任を相談していたことを明らかにしました。すなわち、安倍総理自身が、これほど多くの問題を抱える稲田氏をかばい続け、防衛大臣職にとどめたということです。
本件の閉会中審査に向けて、与党はこれに極めて後ろ向きな態度を続けています。速やかに安倍総理や稲田氏も出席した上で審議を行い、事実を明らかにするよう強く求めていきます。