最近の安倍政権の財政運営を見ていると、日本が世界でも突出した厳しい財政状況の国であることを忘れたかのごとき、です。
私たちの政権の時には、2015年度、2020年度のプライマリー赤字幅についての目標に加え、当面の3年間をこのような財政運営をしていく、ということを示した「財政運営戦略」を毎年改定しながら適用してきました。しかし今の安倍政権にはこのようなものはなく、ある意味、レールのない中で走っている列車のよう。
さらには法人税減税を議論するのはいいのだけれど、これを行った場合の財源については、「年末までに検討」だと。すなわち、年末の段階で、一時的にでも税収が上ぶれしていたとすると、それを「財源だ」として勘案することを考えているように見えます。
さらには「法人税減税を行ったら景気が良くなるので、それで税収が増え、結果として財源になる」といった、取らぬ狸の皮算用、みたいないことまで言われています。(しかもこのことを、政府に関与している、一定の名のある経済学者も述べているので、唖然とします)
日銀の超金融緩和で、日本国債を日銀が大量購入していることが支えですが、これが「出口」を迎えた時、すなわち日銀が国債を買わなくなった時にどうなるのかということについては、あたかも「想像もつかなくて誰も語らない」といった感じ。
今が良ければいいや、と言わんばかりの財政運営になっていることが本当に心配です。