日本の法人税実効税率は国際的なレベルに比して高い。したがってその引き下げを検討すること自体は反対ではありません。
しかし今政府が検討しているとして聞こえてくる、消費税引き上げへの対応策として、復興法人税の前倒し廃止を含めた対応は、そのまま受け止めていいものか。
まず、復興法人税はそもそも復興財源を確保するためのもの。それを前倒し廃止するとなると復興財源はどうなるのか。一部では「景気がよくなった時の税の自然増収でまかなう」などとも言われていますが、そんな「取らぬ狸の皮算用」みたいなことでいいのか。
また、消費税増税分は福祉財源にあてるというのがもともとの約束だったはず。それが同じタイミングで法人税減税となると、このそもそもの約束さえ満たされないのではないかと見えます。
繰り返しになりますが、私は国際的な法人税率を鑑み日本の法人実効税率のあり方も見直すことはありだと思っています。しかし、その具体化はよりよいあり方があると思います。