農水委員会で質疑に立ち、諫早湾干拓問題をとりあげました。
今日、私が取り上げたかったのは、「既判力」。すなわち、政府は、開門を求めた確定判決と、開門を差し止めた仮処分決定の、ふたつの異なる方向の義務があるので悩ましい、その結果今でも開門できないでいる、と述べてきています。あたかもふたつの義務が同じ重さのように言っていますが、それは違います。
今日、法務省の担当者が明確に答弁しました。開門判決は確定している。その意味で、それは何がどうあっても変わらない、すなわち既判力があります。しかし、開門差し止め仮処分は上級裁判所に上訴して争うことができるものであり、まだこれから変わり得ます。したがって既判力はありません。
一方の義務はもうどうあっても確定している。もう一方の義務はまだ確定していない。そういう状況。そこで、論理的帰結として、政府がとるべき態度は、「確定している開門判決を履行できるように、政治的な意思を決め、その方向に最大限の努力をすること」。
しかし、これに対して、林農水大臣は、「執行力」をとりあげ、ごちゃごちゃと答弁していました。私は執行力を問題にしているのではありません。
それ以前の、まずは政府の方針として、開門を履行できるように取り組むという意思決定をすべきだということ。それが法律的な論理的帰結だということ。
今日の答弁を聞いていても、現政権が開門にもともと消極的であることがよくわかります。