菅直人元総理が今日、次期衆院選への不出馬を正式に発表されました。この選挙区においては、松下玲子武蔵野市長に後を託したいということです。
いつも「菅さん」と呼ばせて頂いていました。気さくなお人柄でした。
一期生の時から、予算委員会などで鍛えてもらいました。民主党政権の時には、菅財務大臣のもとで財務大臣政務官を務めさせてもらいました。
最も思い出深いのは、諫早湾干拓開門についてのことです。菅総理の時に、福岡高裁で「開門判決」が出されました。これにどう対応するかが大きな論点でした。
農水省としては、最高裁まで判断を得た方がいいという考え。先延ばしです。しかし私としては、上告せず開門判決を確定させるべき、という考えでした。
菅総理と様々なやりとりをしていました。ある時こんなことがありました。地元の状況などを菅さんに伝える中で、彼から「大串君、全てを情報を上げてきなさい。最後は私が判断するから」ときっぱり言われました。その時私は、菅さんが上告せず、開門判決を確定させようとしているのだなと直感しました。
その後、農水省など各省との厳しい議論を経た上で、菅さんは果たして、上告せず開門判決を確定、という意思決定をしました。
この問題は、当時農水省が言っていた「裁判所に任せるべき」というのとは逆で、裁判で解決する問題ではないことは、その後を経緯で明らかになっています。すなわち、何がしかの政治的な意思決定をもって進めていなかければ解決はしないということです。
今、自民党政権は「何もしない」という態度でこの問題を放置しています。そのために、何らの結論も出ないまま、佐賀県、長崎県の漁業者、農業者をはじめとして、関係者は大変困った状態に置かれ続けています。
この問題で政治決断が必要だということを身をもって示してくれた菅さんに、私は心から感謝しています。その教えをもとに、これからも原告団弁護団の皆さんとともに、開門に向けて頑張っていきます。