諫早湾干拓問題に関して、今日、最高裁は重要な判断を示しました。
同干拓事業に関しては、民主党政権下において、福岡高裁が示した「開門」という判決を確定させました。
しかしその後、国は、「漁業権は10年で期限が切れている」というとんでもない理屈を持ち出してきて、よって開門判決は強制できないとし、開門判決を無効化するための主張をし始めました。
これに対して、福岡高裁がこれを認め、それが最高裁まで上がって争われていました。
そして、今日、最高裁は、開門判決を無効化する国の主張を認めず、福岡高裁の判断を破棄、差し戻しを申し渡したわけです。
私に言わせるとある意味当然の判決です。
もし国が主張していたように、開門せよ、という判決は確定しているけれど、漁業権は一定期限で消滅するので、それ以後は開門を実行させることはできない、などとすることを裁判所が認めるとすると、一体どうなるでしょうか。
裁判所がいったんは「開門せよ」と認めた、国がゴネてそれを実行せずに時間が経った、そのうちに裁判所は「もう開門しなくていい」なんてことを決めた、などということになると、裁判所の判決とは一体何なんだということになります。
裁判所から「こうせよ」と判示されても、それをごにょごにょいってサボっていれば、いつか裁判所は「じゃあもういいよ」言ってくれる。そんなおかしな裁判所制度はあり得ません。
国が主張していた「漁業権は期限が切れた」という主張は、そもそも無理筋だったということ。
さて、今後です。
このような判決が示され、福岡高裁に舞台が移りますが、要は、開門を前提とした和解の道を探るしかありません。
国は、開門を前提としない「基金案」による和解案を示していますが、原告団は開門を前提としない和解案は絶対受け入れないことを、繰り返し明言していて、これは和解案たり得ません。
国は、開門を前提として、長崎県の皆さんを含め、多くの皆さんに支持してもらえる和解の道を、真摯に探るべきです。もうサボりは通用しません。