衆議院農林水産委員会で質疑に立ち、諫早湾干拓開門問題を取り上げました。
4月28日、福岡高裁は大変画期的な、和解協議開始の呼びかけを行いました。話し合いでしかこの問題は解決できない、だから今こそ和解の話し合いをするべき、そして国は特に主体的に取り組むべき、という内容でした。
今日の質疑で私から、野上農水大臣に対して、国としてこれまで主張してきた「開門を前提としない基金案」から一歩も、1ミリでも譲歩する考えはないのか、ないと言うのであればその理由は何か、ということを問いました。
野上大臣は、「開門を前提としない」ということの意味として、「塩水が調整池に入らないこと」が「開門しない」ということの意味だと述べました。そこで私からなぜ1立方メートルでも塩水が入ることはダメなのか、と繰り返し問いましたが、具体的な答弁はありませんでした。
野上大臣は、防災上の理由と、干拓地で営農が行われている、という二点を繰り返し述べるのみ。
私たちとしては、防災上の懸念にも応え得る、そして営農への影響の懸念に対しても応え得る開門のあり方を探ることは可能だし、積極的にそのような議論をするべきだと思っています。
野上大臣は、今日の質疑で、なぜ1ミリも1立方メートルも譲歩できないのかについて、その理由をきちんと説明することはできませんでした。
なぜか。それは、1ミリも譲歩できない理由などないからです。
要は、国として一歩踏み込んで議論しようとなるか、です。
今日の国の答弁の持つ意味を、裁判所はしっかり読み取ると、私は思います。