衆議院農林水産委員会で質疑に立ちました。
緊急の課題として、有明海西南部での海苔の大不作問題をはじめとして、諫早湾干拓問題を含め取り上げました。
平成12年の海苔の大不作の時よりさらに厳しいと言われる、極めて深刻な状況です。
私からは、今こそ、有明海特措法第22条にあるように、赤潮により漁業被害が発生した場合には、国は漁業被害の損失の補填などを行う必要があると定めに従って、特別な支援を行うべきだと主張しました。
しかし金子農水大臣の答弁は、極めて冷たいもので、「漁業共済、積立プラスなどの(既存の)制度で収入減少を補填することになっているのでまずはそれで対応」とのこと。
現場の苦境を、一顧だにしないような冷たい態度です。わざわざ有明海特措法に、赤潮被害の場合の対応を定めているにもかかわらず、既存の仕組みでの対応のみしか言わないとは。
私から、現地から持ち込んだ、色落ちした海苔の現物を示し、海苔不作を心配する小学生の作文を紹介し、強く訴えた結果、漁業者の現状をよく調べてみるという発言までは、大臣からありましたが、極めて消極的な雰囲気は拭えません。
もとはと言えば、この海苔の不作は、諫早湾干拓が締め切られ、潮の流れが遅くなってしまっていることから来ています。諫早湾干拓にかかる経緯をよく知る、長崎県出身の大臣として、金子大臣にはむしろこの機に、開門調査を含めた全体的な有明海再生に向けた取り組みに、より積極的に臨んで欲しいと思います。
25日には福岡高裁で、開門判決に対する国の請求異議訴訟にかかる判決が出ます。どのような判決であろうと。12年前に確定した開門判決には変わりはありません。