野上農水大臣が、諫早湾干拓開門問題をめぐって今日来佐しました。
前安倍内閣での歴代農相は、就任後1ヶ月ほどのうちには来佐していましたが、野上大臣の場合は、私が11月19日の衆議院の農水委員会で、「なぜ来佐しないのか」と問い質して、やっと実現した訪問でした。
原告団弁護団とも会談を行いましたが、焦点は、和解に向けて国がしっかりとテーブルに着くという判断ができるかということ。
この点、11月19日の同委員会で、私から厳しく問い質したことに対して野上大臣は、
「昨年10月、江藤前大臣が現地視察の際に、さまざまな立場の関係者がバランスよく参加するのであれば一堂に会して話し合うこともあってもよいと発言されたと承知をいたしておりますが、私もその考えは全く同様でございます」
と答弁しました。
江藤前大臣の発言は、視察時の発言でしたが、今回の野上大臣の発言は、それを国会の場で正式に認める発言でした。これは極めて大きなことです。
この発言に沿えば、裁判所が和解の場として、バランスのとれた場を作るのであれば(裁判所がバランスのとれていない場を作るとは到底思えませんが)、国としてはその話し合いのテーブルに着き、議論に応じるということです。
今日野上大臣にこの点を弁護団から質問したことに対して、野上大臣は「仮定の話には答えられない」とかわしましたが、国会答弁と同じラインを再び述べました。
福岡高裁の開門判決が確定して10年が経ちます。国は、漁業者も農業者も、佐賀県も長崎県も納得できるような和解の道を作り出す責任があります。
野上大臣の私への国会答弁が、裁判所での議論を通じて、そのような道につながってくれることを切に願います。